いずみ中山歯科のブログ
放射線治療と歯科
おはようございます、予防とメインテナンスに重点を置いている仙台市泉区にあるいずみ中山歯科 事務の古川です。
今朝の仙台市南中山周辺は快晴です。昨夜からの最低気温は早朝に記録した2.7℃と平年より1℃ほど低い寒い朝になりました。日中もこのまま晴れて予想最高気温は12℃とこちらはほぼ平年並みの気温で風も穏やかで陽射しの当たる窓辺では心地よく感じられそうです。それでも、室内で陽射しが当たらないと肌寒く、特に朝晩は暖房の使用が必須となりそうです。暖房で暖かい部屋などにいると知らず知らずのうちに体から水分を失っていることがあります。これからの時季もこまめな水分補給を日常から心掛けて、来院された際は待合室奥にあるウォーターサーバーでまず1杯の水で水分補給をするようにしてみてください。気温も下がり始めてきて、体感気温には個人差がありますが、冷水では冷たい、寒いとお感じの方は火傷に注意しながらお湯を少し入れるなどしてご利用ください。
先週からがん治療と歯科の関係をご紹介していますが、今日はがん治療の中でも放射線治療についてご紹介したいと思います。
口腔がんや咽頭がんで放射線をお口の周辺に当てるとほぼすべての患者さんにお口の副作用が現れるそうです。副作用には直ぐに症状が現れる急性のものと、数カ月経過後に出てくる晩期性のものがあり、特に多いのがやはり口内炎(口腔粘膜炎)だそうです。
放射線を当てると口腔粘膜の上層の細胞が破壊され、そこから細菌が内部に入り込んで感染と炎症を引き起こすため、口内炎が悪化しやすいとのことです。また、内部の血管を通って細菌が全身に広がって発熱を伴うこともあるそうです。
それ以外にも味覚の低下や口腔乾燥(ドライマウス)も起こります。3つの大唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下腺)のほか、無数の小唾液腺が放射線の影響により唾液の分泌が減少したり、唾液の性質が変わったりすることで味覚低下や口腔乾燥などの症状が現れます。
がん治療は多くの場合、診断から治療開始まで検査などを多種の検査などがあることから日数を要します。その間に時間を見つけて歯科に通って口腔内の健全性を少しでも改善させておくと、合併症のリスクが減少し、副作用が緩和され、がんの治療期間のつらさがずっと楽になるそうです。
口内炎は、口腔内の細菌が多いほど悪化しやすく、抗がん剤で体の免疫機能が抑制されている状態ではなおさらです。放射線で細胞が破壊され、そこに細菌が侵入すると炎症が悪化し、かつ長期化します。こうした症状をできるだけ出さないよう、また軽度で済むようにするには、口腔内の細菌をできる限り減らしておくことがとても大切になります。
口腔内の細菌を減らすために必要なのが、むし歯や歯周病の治療です。歯科でむし歯を治してもらい、プラークや歯石を除去することで、口腔内の衛生状態を改善しておくことが副作用の悪化予防になります。
手術時のトラブルや術後の肺炎を予防するためにもグラグラの歯はがん治療開始前に抜いておきましょう。口腔内に放射線治療を行った場合、放射線の影響により抜歯時に顎の骨が壊死してしまう放射線性顎骨壊死のリスクが生じてしまうため、抜歯は行えなくなります。
また、歯や被せ物、入れ歯が当たって口腔粘膜を傷つけているところがないかも確認してもらってください。がん治療中は小さな傷口からでも細菌感染が起こりやすく、しかも悪化しやすいです。
がん治療を行う必要が生じてしまったら、まずは歯科受診をして口腔内の衛生状態を高めておくことががん治療のつらさを軽減させる一助となります。
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